帯状疱疹とワクチンによる予防について
帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、多くの人が子供の頃にかかる水ぼうそう(水痘)と同じウイルスが原因で起こる病気です。
水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経に潜んでいます。そして、加齢やストレスなどで免疫力が低下したときに、ウイルスが再び活性化し、ピリピリとした痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れます。
特に注意が必要なのは、皮膚の症状が治った後も、数ヶ月から数年にわたって痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」というつらい合併症です。
なぜワクチンが推奨されるの?
帯状疱疹の発症は、ウイルスに対する免疫力の低下と深く関係しています。ワクチンを接種することで、この免疫力を再び高め、帯状疱疹の発症を予防することができます。
2種類の帯状疱疹ワクチンの比較
当院では2種類のワクチンを取り扱っております。効果や費用、接種回数などが異なりますので、ご自身に合ったワクチンを医師とご相談ください。
項目 シングリックス(不活化ワクチン) 従来の生ワクチン
ワクチンの種類 ウイルスの一部を使用したワクチン。 ウイルスは生きていない。 毒性を弱めた生きたウイルスを使用。
接種回数 2回 (2ヶ月間隔) 1回
発症予防効果 90%以上 約50%
効果の持続期間 10年以上 約5年
免疫が低下した方 接種可能 接種できない
当院での費用 1回 22,000円 (合計 44,000円) 1回 8,000円
シングリックスは、費用は高くなりますが、予防効果が非常に高く、その効果が長期間続きます。そのため、現在では第一の選択肢として推奨されています。
シングリックスの接種について
【接種をおすすめする方】
• 50歳以上のすべての方
• 18歳以上で、病気や治療により免疫機能が低下している(またはその予定がある)方
【主な副反応について】 多くの方に副反応が見られますが、ほとんどは1~3日程度で自然に治まります。
• 注射部位の症状: 痛み、赤み、腫れ
• 全身の症状: 筋肉痛、疲労感、頭痛、悪寒、発熱 など
※接種後は無理をせず、ゆっくり過ごすことをお勧めします。
よくあるご質問 (FAQ)
Q. 以前、帯状疱疹にかかったことがありますが、接種は必要ですか?
A. はい、推奨されます。帯状疱疹は再発することがあるため、ワクチンで再発リスクを下げることができます。
Q. 水ぼうそうにかかったか不明ですが、接種できますか?
A. はい、接種できます。事前の抗体検査は不要です。ほとんどの成人は免疫を持っていると考えられています。
接種をご検討の方へ 帯状疱疹は、誰にでも起こりうる病気です。ワクチンは、そのつらい痛みや合併症からあなたを守るための有効な選択肢です。 詳しくは、かかりつけの医師にご相談ください。