舌下免疫療法(SLIT)のご案内
舌下免疫療法(SLIT)とは?
舌下免疫療法(スリット)は、特定の花粉やダニによって引き起こされるアレルギー性鼻炎・結膜炎、そして軽度から中等度のアレルギー性喘息を治療する方法の一つです。
毎日1回、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含む錠剤を舌の下に置いて溶かすことで、体をアレルゲンに少しずつ慣らし、アレルギー反応を和らげていきます。
どんな人が治療を受けられるの?
この治療は、以下のような方が対象となります。
• 対象アレルゲン: 特定の花粉やダニに対するアレルギーがある方(血液検査や皮膚テストで診断された方)
• 継続の意思: 毎日コツコツと治療を続けられる方(効果を得るためには、継続が非常に重要です)
お薬の服用方法 💊
お薬は毎日1回、以下の手順で服用してください。
1. 乾いた指で錠剤を1錠取り出し、舌の下に置きます。
2. 錠剤が自然に溶けるのを待ちます。
3. 溶けた後、最低1分間は飲み込まずに、舌の下に保持してください。
4. その後最低5分間は、飲食を控えてください。
【重要】 初回は必ずクリニック内で行います。服用後30分間、体調に変化がないかスタッフが確認しますので、ご安心ください。
副作用について
副作用の多くは口の中に起こり、治療開始後1〜2週間で自然に軽快することがほとんどです。
• よくある副作用(約4人に1人):
o 口の中、舌の下、唇、喉のかゆみや軽い腫れ
o これらの症状は通常、1時間以内に治まります。
まれな副作用:
o 喉の奥の腫れ感:治療開始後10日〜14日頃に感じることがあります。症状が続く場合は医師にご相談ください。
o 好酸球性食道炎:胸の痛みや、食べ物が飲み込みにくいなどの症状。この場合は服用を中止し、必ず医師に伝えてください。
o アナフィラキシー:血圧低下、意識が遠のく、呼吸困難、喉の腫れ、じんましんなどの全身性の重いアレルギー反応。発生は極めてまれですが、万一に備え、緊急時に使用する自己注射薬(エピペンなど)が処方されます。
治療のスケジュール
▼ いつから効き始めるの?
効果を実感できるまでには、3〜4ヶ月かかります。毎日続けることで、さらに効果が高まります。
▼ いつから始めるの?
• 花粉症の場合: 花粉が飛散するシーズンの約4ヶ月前から開始します。(例:スギ花粉症なら、前年の夏〜秋頃)
• ダニアレルギーの場合: 一年中いつでも開始できます。
▼ どのくらいの期間、治療を続けるの?
治療の効果を十分に引き出し、体質を改善するために、長期間の継続がとても大切です。
• 治療期間は最低3年間、推奨は3~5年です。
• 最近の研究では、3年間の治療よりも5年間続けた方が、治療終了後の効果が長く続くことがわかってきています。
• 根気強く治療を続けることで、アレルギー症状のない快適な生活を目指しましょう。
こんな時は服用をストップ!
以下のような場合は、お薬の服用を一旦お休みしてください。口の中の状態が回復してから再開します。
• 抜歯など、口の中を切るような歯科治療を受けた後
• 口の中に傷や潰瘍、炎症がある時
ご不明な点は、必ず医師にご相談ください。